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菌とウイルス

2020/03/28  19:57
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菌とウイルスの混同と誤解もあるようだからまとめておこう。
細菌は適度な養分があると増殖するが、ウイルスは体外では増殖しない。
だから、感染者が触れた手すりなどについたウイルスは増殖せず、半日ほどで消滅する。
細菌は食べ物などを腐敗させ、毒物を生産するが、ウイルスは食べ物を腐敗もさせないし毒物も生産しない。
だから、食べ物にウイルスがついても、半日もすれば消滅してしまう。
細菌は手につくと増殖することがあるが、ウイルスは体内にはいらない限り、手についても半日ほどで消滅する。
ちなみに、「半日で消滅する」というのは、感染者の細胞で生産されてから半日程度で分解してしまうので、くっつくまでに時間がかかっていれば、もっとはやく分解される。
報告によると、「つるつるした場所」にくっついたウイルスは分解されにくく、最長2日ほどもつらしい。
ファンデルワールス力とか関係あるのかもしれない。

そもそも、細菌は生物だがウイルスは生物ではない。ウイルス「特殊な性質を持った不安定な化学物質」といったところだ。
ウイルスは一部の細菌のような耐熱性がない。
耐熱性はないが、どっかのデマにあったように「27度で死滅するからお湯を飲めば大丈夫」ということはない。
27度で壊れるなら、人体に入ったとたん、壊れるだろう。ここでの「耐熱性」とは蛋白質が変性する温度(卵が固まる温度)を想定して欲しい。正確な数値は実験しないとわからないが、80度ぐらいではなかろうか?
だから、器具類を熱湯につけてウイルスを破壊するのはアリだが、ウイルスを破壊できるほどの熱を人体に使ったら、やけどする。

ウイルスの構造は、DNA(あるいはRNA)とエンベロープからできている。
DNA/RNAはウイルスの設計図だ。
DNAとRNAの違いは構造的には酸素が多いか少ないかぐらいだ。
DNAはデオキシリボ核酸、RNAはリボ核酸。
「デ=取り除く」「オキシ=酸素」であるから「デオキシ」とは酸素を取り除いたという意味だ。
DNAもRNAも設計図という点では同じだ。
が、生物の細胞内では働きが異なる。
顕微鏡で細胞を見たことあるだろうか?そのままでは透明に近くて見難いので、染色液をつけて色をつけて観察すると、細胞核の中にひも状のものが見えることがある。このひも状物質は染色液でよく染まるので「染色体」と呼ばれる。
ふだんは観察できないが、細胞分裂のときだけ観察できる。
この染色体が細胞の設計図の原本で、遺伝子とも呼ばれ、ふだんは細胞核の中に大事にしまってある。
そして、遺伝子を作っている物質がDNAだ。
じゃあ、RNAはなにかというと、細胞が活動するにはいろいろな物質を生産する必要がある。その物質の設計情報もDNAのなかにあるが、生産するには、設計図を読み出して、読み出した設計図をもとに材料を集め、合成する必要がある。
それを行っているのがRNAだ。
RNAには何種類かあり、細胞核のDNAから設計図を読み出すメッセンジャーRNAやその情報をもとにアミノ酸をかき集めるトランスファーRNA、そして合成工場であるリボゾーム内ではたらくリボゾームRNAである。
ウイルスの場合、DNAかRNA、どちらか一方しかもたない。
蛋白質の合成にはリボゾームという合成工場が必要なので、細胞を乗っ取ったウイルスは、細胞の遺伝子複製機能を使ってせっせと自分のDNA/RNAを複製する傍ら、リボゾームでエンベロープを生産するわけだ。

エンベロープはDNA/RNAの入れ物のようなものだ。
DNA/RNA自体は非常に不安定な化学物質で、宿主となる細胞外では短時間に分解してしまう。
エンベロープの働きは2つ。
1つはDNA/RNAの保護だ。保護、とはいえ、エンベロープの構造は単純で、それほど強固ではない。
エンベロープ自体、DNA/RNAほどではないが壊れやすく、半日ぐらいで壊れてしまう。
宿主となる細胞外でエンベロープが壊れると、DNA/RNAはなにもできなくなりすぐに壊れてしまう。
エンベロープの2つ目の働きが、細胞にとりついて、DNA/RNAを細胞内に注入することだ。
エンベロープは自分で動くことはできないから、体内にはいったウイルスが、たまたま細胞に接触したときに限り、細胞にくっつくことができ、うまくくっつくことができてはじめてDNA/RNAを細胞内に注入できるわけだ。
つまり、エンベロープがないとDNA/RNA単独では細胞内に侵入することができない。
だから、ウイルスが体内にはいったら即感染というわけではない。
前の感染者の体外に出て半日以内に、次の感染者の細胞に接触しなければ分解消滅してしまうわけだ。
だから、1個や2個のウイルスが口からはいったぐらいでは、感染することはまずない。
さて、エンベロープが細胞にとりついて、DNA/RNAを注入すれば感染が成立するか、というとこれも違う。
細胞内に異物が侵入してきたら、細胞はそれを排除しようと戦いを始める。
感染するには、この戦いにウイルスのDNA/RNAが勝って、細胞の遺伝子複製機能を乗っ取って、自分のコピーを量産しはじめる必要がある。
こうなると、ウイルスは大量のDNA/RNAの複製とエンベロープを生産し、細胞生存に必要な作業が行われなくなるため、やがて細胞は死滅し、大量のウイルスが細胞から飛び出し、次の細胞に取り付こうとするわけだ。この時点では、細胞側に対抗手段はほとんどなく、次々に細胞を乗っ取られ、ウイルスが体内に蔓延していくことになる。

ちなみに、体の表面にウイルスがくっついても、皮膚を食い破って細胞に侵入するなんてできないから、傷口でもない限り皮膚についても感染しない。
しかし、ウイルスのついた手で傷口にさわったり、皮膚をかきむしったりすると感染の危険があるので要注意だ。

では、どうやって自然治癒するのか?

人体側もウイルスの猛攻を指をくわえてみているわけではない。
免疫系細胞が次々に対ウイルス化学物質を生み出し、反撃を開始する。
おそらく、数うちゃ当たる式に、いろいろな物質を生み出し、ウイルスにぶつけているのだと思われる。
そして、「これは効く」化学物質を見つけたら、その物質を免疫物質として量産しはじめる。
あとは時間との戦いだ。ウイルスの増殖で人体としての死を迎えるか、免疫物質の量産が間に合って、ウイルスを撲滅するかだ。
ふつう、ウイルスに感染してから免疫による反撃がはじまるまで、3日程度であることが多い。
風邪の3割はコロナウイルスによるものだが、風邪が3日程度で治ることが多いのはこのためである。
一度できた免疫は相手にもよるが数年~一生保持される。
たとえば、麻疹(はしか)や水疱瘡が一度かかると2度とかからないのは、免疫が一生保持されるからだ。
つまり、2度目以降はウイルスが侵入してきても即座に免疫で撃退できるわけだ。
風疹(三日ばしか)は10年ぐらいで免疫が消えるので、注意が必要だ。

さて、中国では苦肉の計として、回復者の血漿を発症者に注射する作業がおこなわれたが、これは勧められた行為ではない。
というのも人体は非常に精密な化学工場であり、しかも1人1人微妙に違っている。
そばやミルクで死ぬ人もいるぐらい違う。
だから、回復者の生産した免疫物質が、他人にとって安全という保障はどこにもない。
中国の発表はないが、拒否反応をおこして死んだ人がいてもおかしくない。
また、生産された免疫物質は、おそらく、人によってことなる。
そのため、ウイルスへの効き具合もことなるはずだ。
「回復者」と言っても、生産した免疫物質の効きが悪く、かろうじて回復した人もいれば、効きがよく、簡単に治癒した人もいるはずだ。効きのわるい免疫物質でも、回復者の場合は自分で生産してつぎつぎにぶつけて物量でウイルスを撲滅したのであろうから、その血漿を感染者に注射しても、体内にはいった分の免疫物質しかないのでは、効果はあまり期待できない。
結局、回復者の血漿注射はリスクの大きいギャンブルでしかない。
発症したら、ワクチンが開発されるまでは、自分の免疫力に期待するしかない。

今回騒ぎになっている新型肺炎のコロナウイルスについて気がついたことを述べる。
まず、欧米では急速に感染拡大しているが、アジアではあまり拡大しているように見えないことだ。
中国の報告は不正確であてにできないが、初期に感染が広がり始めた韓国や日本を含め、モンゴル、台湾などその後欧米ほど感染拡大していないように見える。
もちろん、日本の場合、検査そのものをあまり行っていないため、発表された数字が実際値よりかなり少ないと思われるが、死者の数はごまかしようがない。イタリアでは火葬場が限界まで稼動しているそうだが、日本ではそういう話を聞かないところを見ると、今回のウイルスによる死者が目立つほど出ていないと推定される。
もしかしたら、今回のウイルスはコーカソイド(白人)だと重篤になりやすく、モンドロイド(黄色人種)だとなりにくいのかもしれない。
(検査数の少なさは置いておいて)日本での感染者数が少ない原因は生活様式にあるのではないだろうか?
もともと日本人は習慣的に他人との接触が少ないように思われる。
恋人でもない限りハグもしないしキスもしない。挨拶も握手よりはお辞儀をすることが多い。
電車の中で大声で話すこともあまりない。
手づかみでものを食べることが少ないのも一役買っていることだろう。
そして、なにより日本人の多くは宗教に無関心だということだ。
キリスト教圏やイスラム教圏ではミサ(カトリック)や日曜礼拝(プロテスタント)や金曜礼拝(イスラム)で人が集まり、それが感染拡大の要因のひとつになったようである。
思えば、韓国で感染者数が一気に増えたのも、宗教的集会がもとであった。
こういった欧米人とは異なる普段の生活が、日本でのウイルス拡散防止に役立っている可能性がある。

今後、個人ではどうすればいいか?

まず、咳やくしゃみが止まらない人以外は特にマスクをつける必要はない。
今回のウイルスの空気(飛沫)感染力はそれほど高くないように思えるからだ。
というのも、あいかわらず毎朝ラッシュにもまれて数百万の人が仕事に通ってるが、満員電車が原因で感染が広まった明確なケースが存在しないからだ。満員電車で感染するなら、いまごろ日本ではイタリアやスペイン以上の大惨事になっていることだろう。
手洗いや消毒はしたほうがいいが、神経質になることはない。
最初にのべたように、体内にはいらない限り、ウイルスは増殖しないからだ。
たとえば、夜、仕事から帰ってきたとき脱いだ上着にウイルスがついていたとしても、翌朝までほっておけば消滅していることだろう。上着をぶらさげた後、手を消毒し、翌朝まで上着に触らなければ、感染の危険は少ないといえる。
外に出たとき気をつけることは、できるだけ手の内側でなにかに触らないことだ。
てすり、つり革、ドアの取っ手などできるだけ触らずにすませたい。手の内側にウイルスがつかなければ、口に入る危険性を減らせるからだ。
そして、外で食事をするときは手づかみを避けるということだ。
弁当や食堂のランチなどはもともと手づかみで食べないから、一番気をつけるべきはおむすびとパンだろう。
それと菓子類。ポテチや飴などは手でつかんで口に運ぶから、手を消毒せずに食べると感染するかもしれない。
あとは、外出を減らすことだ。外に遊びにいくのはやめて、家でRSやってるほうが安全だ。
運動もスポーツジムでの感染が報告されているから、しばらくは自宅でストレッチしたり、近所をジョギングしたりして済ませたほうがいいだろう。
こういうちょっとしたことに気をつけるだけで、感染リスクをかなり下げられる。
今回のウイルス騒ぎは楽観はできないが、個人レベルでできることは限られるので、あまり神経質になってもどうにもならない。
そのうちまわりが免疫持った人だらけになって収束するから、それまでの辛抱だ。

菌とウイルスといいながら、ウイルスの話に終始してしまった。
気が向いたら菌の話をすることもあるだろう。
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